8. Threshold ECDSA
Internet ComputerのCanister上で、Threshold ECDSAという仕組みを利用して署名を行うことができます。
大きな特徴は、Canisterの各replicaがPrivate keyの断片のみを持っていて、Private keyを再構築することなくPublic keyの取得や署名が行えるため、Private keyが漏洩リスクがほぼ無いことです。
ICPではこの仕組みを利用することによって、CanisterがBitcoinの保持や操作を行い、さらにBTCを担保にICP上にckBTCを発行したり(Bitcoin統合)、Ethereumの保持やコントラクト操作を行い、さらにETHを担保にICP上にckETHを発行したり(ETH統合)、といったことを実現しています。
2023年12月時点で以下のシステムAPIが用意されています。
XRPL Interaction
Threshold ECDSAを使う身近な例がないかを考えたとき、自分がCryptoの世界に足を踏み入れた2018年当時、『XRP Ledger』まわりのAPIを触ったりしていたことをふと思い出しました。当時はまだPoWが主流で、BNB ChainなどEVM互換ChainやPoSのPolkadotやAvalancheもローンチされておらず、BitcoinやEthereumに比べると、XRPLのトランザクション処理速度は魅力的なものでした。
自分の関心はその後EthereumおよびEVM互換Chain、そして、ICPへと移ってしまったため、その後の技術をあまりフォローできていないのですが、XRPL上でNFTを扱えるようになっていたり、EVM互換Sidechainの検証が行われていたり、さらなる進化を遂げているようです。
自分はICPeopleですから、ICPのCanister上からXRPLへのインタラクションが行えないか、という点で、以下の2点を試してみたいと思います。
Public keyからのXRP Address導出
XRPLトランザクション署名 (XRP送金)
1. XRP Ledger Address derivation from Public key
XRP Ledger addressesは、rからはじまる25~35バイトの文字列です。4年前くらいに調査した記憶が正しければ、ecdsa-secp256k1、もしくはed25519のPublic keyから生成できたはずなので試してみます。
Address Encoding
https://xrpl.org/addresses.html#address-encoding
ファイル準備
まずはpublic keyの取得とPublic keyからのアドレス導出をしてみます。
★TODO★ XRPLトランザクション署名
主要な部分を抜粋します。
(1) get_public_key()
ICPのシステムAPIを使用してpublic keyを取得します。
Dfinityが提供しているサンプルを参考に実装しています。
ローカルテスト用なのでdfx_test_key
を指定しています。IC上に配置する場合は適宜修正した方がいいでしょう。
(2) get_xrp_address_from_ecdsa_public_key()
Public keyからXRPL Addressを
実行例
Public keyやXRP Addressの取得を行います。
注意事項
経験則的に、新しくCanisterを作り直すたびにPublic keyも変わるようですので、ご注意ください。
現時点ではまだトランザクション操作も実装していませんので、生成されたXRPL Addressに本物のXRPは送らないようにしてください。取り戻せなくなる可能性があります。
本記事の内容はあくまでも参考にとどめ、くれぐれも自己責任のもとで動作テスト等を行ってくださいますようお願いします。
2. Sign and Submit XRPL Transaction
ICP Canister上からXRPLに対してトランザクション要求を発行します。
★TODO★ 調査中
最終更新